村上春樹『風の歌を聴け』
デレク・ハートフィールドについて
- すべての意味で不毛な作家
- 文章は読み辛い
- ストーリーは出鱈目
- テーマは稚拙 ([ちせつ] 幼稚で未熟な・こと)
- 文章を武器として闘うことができる数少ない非凡な作家の一人
- ヘミングウェイ、フィツジェラルド等の作家に伍しても (肩を並べる) 決して劣るものではない。
- 最後まで自分の闘う相手の姿を明確にとらえることはできなかった。
- 1938年6月の晴れた日曜日の朝、エンパイアステートビルから飛び降りた
- 右手にヒットラーの肖像画、左手に傘で。
鼠が金持ちを嫌いな理由
「はっきり言ってね、金持ちなんて何も考えないからさ。
懐中電灯と物差しが無きゃ自分の尻も掻けやしない。」
(中略)
「うん。奴らは大事なことは何も考えない。考えてるフリをしているだけさ。(中略)」
メモ
私の正義はあまりにあまねきため、というところがなんともいえず良い
鼠の小説には優れた点が二つある。
まずセックス・シーンの無いことと、それから一人も人が死なないことだ。
放って置いても人は死ぬし、女と寝る。そういうものだ。
「完璧な文章などといったものは存在しない。
完璧な絶望が存在しないようにね。」
泣いたのは本当に久し振りだった。
でもね、いいかい、君に同情して泣いたわけじゃないんだ。
僕の言いたいのはこういうことなんだ。
一度しか言わないからよく聞いておいてくれよ。僕は・君たちが・好きだ。
あと10年も経って、この番組や僕のかけたレコードや、
そして僕のことを覚えていてくれたら、僕のいま言ったことも思い出してくれ。
風の歌を聴け (講談社文庫)
posted with amazlet at 09.03.18